G.H.A.®
とは陽極酸化処理をベースとした革新的な表面処理技術です。あらゆるアルミ合金(軽合金)の表面に1-100µmの被膜を形成することが可能であり、生成した皮膜の多孔質層に銀イオン(Ag+)を沈着させることを特徴としています。
この技術によって生成した陽極酸化被膜はHV 500-550という優れた硬度を持つともに、銀イオンの働き(表1を参照)によって、抗菌性をはじめとする様々な効果(表2を参照)を発揮します。そのため医薬品や食品、工業製品や科学研究など、様々な分野への応用が可能です:
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図A G.H.A.® 皮膜30µm の場合のケラー・モデル |
銀イオン Ag+ の特徴 |
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物理的特性 | ||||||
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Material | 硬度 HV | 融解温度 | 摩擦係数 | 抗菌性 | 塩水噴霧試験 SST |
耐摩耗性 |
アルミ合金 | 70÷100 | 680°C | 0,44 | なし | 100 時間 | 102 時間 |
G.H.A.® 陽極酸化皮膜 | 500÷550 | 2100°C | 0,025 | あり | 10.000 時間 | 105 時間 |
硬質皮膜 | 500÷550 | 2100°C | 0,15 | なし | 200÷500 時間 | 103 時間 |
1から100µmの範囲で調整可能な皮膜は、素地であるアルミニウム自体が酸素と反応して生成するため剥離する恐れがありません。電解液中でワークピースを陽極で電解することによって、皮膜の約50%が素材内部に、残り50%が外部に生成します(図Aを参照)。
G.H.A.® 処理には高価な貴金属である銀を使用しますが、銀は原子レベルで表面に均一に沈着するため、Ag+イオンの働きによって上述した様々な効果を発揮するとともに、経済性という観点からみても優位性を持っています。